機械式時計の魅力


1、なぜドイツの時計


その国の工業レベルを知るには、自動車製造(内燃機関)及び時計製造(精密機械加工)を見ればわかると昔から言われています。自動車はおよそ100年、機械式時計は14世紀の塔時計に始まり600年の歴史があります。

産業革命が起こり、大量生産の時代に入り、米国で多くのクロックが作られました。その後クォーツの発明により、メカの時計は衰退していきました。そんな中でも、ドイツではかたくなに昔の製法を守り、現在も世界最大の機械式クロック生産国です。自動車にも、時計の細部にも、まさにジャーマンスピリットが受け継がれているのです。

パリのアパートでも、ミュンヘンの邸宅にも、ニューヨークの摩天楼の事務所でも昔ながらのクロックが置かれていたりします。古い物を大切にする欧米の文化、あるいは日本人が昭和レトロにノスタルジーを感じるようなものかもしれません。このような時計と暮らすと、、時間がゆっくり流れているような感覚を覚えます。

ウェストミンスターチャイムに代表される、電子音ではない“やさしい響き”スケルトンで仕組みがわかる“精密機械の動き” ぜひ手に取って一度ご体験下さい。

※ウェストミンスターチャイム --- ロンドンのウェストミンスター宮殿(英国国会議事堂)の時計塔が奏でるメロディ。4つの音階からなる。キンコンカンコン〜ン♪ 学校のチャイムと言えば、コレ!

2、時計の歴史(その1)

人類最初の時計は日時計で、紀元前3000〜4000年にエジプトでつくられたとされています。その後、水時計、火時計(ロウソク、線香など)、砂時計が発明されました。

機械式時計の出現までは14世紀まで待たねばなりません。一番有名で、現存する最古の時計はドイツの機械師アンリー・ド・ビックによって作られたパリの裁判所の屋上に取り付けられたものです。

3、機械式時計の見分け方 & 種類

□ 見分け方

まずは、錘があるかないか?次に鍵穴がいくつあるか?2つならば“時打ち(時報)”、3つならば“時打ち+チャイム”です。振り子時計にも“錘式”、“ゼンマイ式”の2種類があります。

腕時計の場合、秒針の動きを見ればクォーツか機械式かはすぐ見分けがつきます。1秒1秒針が動くのがクォーツですね。クロックの場合、ホールクロックなどは振り子の動きに連動して1秒1秒動くものもあります。耳を澄ませて下さい。機械式ならば、調速機(振り子、テンプ)の息づかいが聞こえてくるはずです。

※テンプ --- 時計心臓部のヒゲゼンマイを伴う調速機、スケルトン
の腕時計であれば裏側から見る事が出来ます。

□ 種類

(1)Floor Clock(一般的にホールクロックをさします)
(2)Regulator (振り子タイプの掛け時計 regulator意味 : 標準時計) 
(3)Table Clock(置き時計)
(4)Wall Clock(掛け時計)
(5)Ship Clock(船舶時計)

4、錘(weight)と振り子(pendulum)

□ 振り子の等時性の発見
1581年、イタリアのガリレオ・ガリレイがピサの寺院の燈台の揺れているのを見て振り子の等時性を発見しました。(大きく振れても、小さく振れても周期は一定)これが“振り子”時計の基礎となりました。

□ 錘(weight)
おじいさんの古時計〜♪の歌で有名なホールクロック(又の名をgrandfather clock)見た事はありますか?時計の動力源はこの“錘”なのです。8日巻のものは、1週間に1度この錘を巻き上げてあげればいいんです。しかも、当時の技術としては驚きの精度1日10秒以内まで絞り込む事が可能です。

5、ドイツの時計

ドイツとスイスの国境近く有名な温泉保養地バーデン・バーデンがある事でも有名なブラックフォレスト(黒い森)が横たわっています。そこに棲むカッコーをモデルにカッコー時計が作られたのは1730年の事。16世紀以前から時計作りが行われていた南ドイツとともにドイツの二大クロック生産地です。

6、日本の時計

日本に機械式時計が伝わったのは、1551年にフランシスコザビエルが献上したものが最初とされています。その後の日本特有の和時計を経て、明治時代に入り既に大工業化されていたアメリカから、安いボンボン時計が輸入されるようになりました。1881年(明治14年)東京・京橋に時計店を開業した服部金太郎が、1892年工場を建て掛け時計の製造を始めたのが機械式時計の始まりです。



〜参考文献〜

小林敏夫 『基礎時計読本』 グノモン社 1997 472p
織田一朗 『時計と人間』 裳華房 1999 158p
有澤隆 『時計の歴史』 河出書房新社 2006 111p

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池田

デパートの時計修理工房で長年アフターサービスに携わってきました。

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